バッハ//管弦楽組曲全曲BWV.1066~1069
No.61 : 管弦楽曲
バッハの「管弦楽組曲」といえば、華麗な管楽器が使用され、合奏する楽しみとそれを聴く楽しみを満喫できる作品です。真作といわれる組曲が4曲ありますが、いずれもケーテン時代の作品とされているようです。この時代には、「ブランデンブルク協奏曲」や「平均律クラヴィーア曲集第1巻」、ヴァイオリンやチェロの「ソナタ」なども作曲されていて、バッハの素晴らしい作品群に圧倒されてしまいます。
とりわけ「組曲第2番」は、4曲の中で最も優雅です。合奏の花形のフルートが大活躍するからなのですが、第1ヴァイオリンとともに主要旋律を奏でながら、時折、華やかで煌びやかな独奏を聞かせてくれます。
また、「組曲第3番」の第2曲「エア」は、のちにウィルヘルミによって編曲されて、《 G線上のアリア 》 としてよく知られるようになった名曲です。この第2曲「エア」以外でも、「組曲第3番」は弦楽と木管(オーボエ)、金管(トランペット)等の音色の変化が素晴らしくいい曲だと思います。
推薦盤
disc1 : マリナー/アカデミー室内管弦楽団
輸入盤LP 英argo ZRG 687/8 2LP箱 濃緑/銀小ロゴ
録音:1970年
*小気味よいリズムでアグレッシブ。端正なアンサンブルと美しい表現が魅力的です。
推薦盤
disc2 : パイヤール/パイヤール室内管弦楽団
輸入盤LP 仏ERATO STE 50150/1 2LP ピンク白竪琴
録音:1962年
*ピエルロ(ob),オンニュ(fg),ラリュー(fl),アンドレ(tp)などのフランスの名手が参加し、音の厚みと
色彩がとても豊かな演奏です。偽作の第5番も併録されています。
推薦盤
disc3 : ミュンヒンガー/シュトゥットガルト室内管弦楽団
輸入盤LP 英DECCA SXL 2300/1 2LP 大デッカ溝ありED1
録音:1961年
*ドイツ的な骨組みでどっしりとした演奏。渋めの色調で古典的な香りに包まれています。
disc4 : コッホ/ベルリン室内管弦楽団
輸入盤LP 東独ETERNA 826568/9 2LP 黒ED
録音:1974年
disc5 : コッホ/ライプチッヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
輸入盤LP 東独ETERNA 820511/2 2LP V字
録音:1965年 MONO
disc6 : アーノンクール/ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
輸入盤LP 独TELEFUNKEN SAWT 9509/10 2LP箱
録音:1966年
disc7 : ゲーベル/ムジカ・アンティカ・ケルン
輸入盤LP 独ARCHIV 415672/3 2LP箱
録音:1982年 DIGITAL
今日の写真 : 春バラ 2017 #4 那須町 コピスガーデン 2017年6月撮影
グローテン・ドルスト
セプタード・アイル
ポール・ボキューズ
シェアリング・ア・ハピネス
マダム・ポール・マサド
バッハの「管弦楽組曲」といえば、華麗な管楽器が使用され、合奏する楽しみとそれを聴く楽しみを満喫できる作品です。真作といわれる組曲が4曲ありますが、いずれもケーテン時代の作品とされているようです。この時代には、「ブランデンブルク協奏曲」や「平均律クラヴィーア曲集第1巻」、ヴァイオリンやチェロの「ソナタ」なども作曲されていて、バッハの素晴らしい作品群に圧倒されてしまいます。
とりわけ「組曲第2番」は、4曲の中で最も優雅です。合奏の花形のフルートが大活躍するからなのですが、第1ヴァイオリンとともに主要旋律を奏でながら、時折、華やかで煌びやかな独奏を聞かせてくれます。
また、「組曲第3番」の第2曲「エア」は、のちにウィルヘルミによって編曲されて、《 G線上のアリア 》 としてよく知られるようになった名曲です。この第2曲「エア」以外でも、「組曲第3番」は弦楽と木管(オーボエ)、金管(トランペット)等の音色の変化が素晴らしくいい曲だと思います。
推薦盤
disc1 : マリナー/アカデミー室内管弦楽団
輸入盤LP 英argo ZRG 687/8 2LP箱 濃緑/銀小ロゴ
録音:1970年
*小気味よいリズムでアグレッシブ。端正なアンサンブルと美しい表現が魅力的です。
推薦盤
disc2 : パイヤール/パイヤール室内管弦楽団
輸入盤LP 仏ERATO STE 50150/1 2LP ピンク白竪琴
録音:1962年
*ピエルロ(ob),オンニュ(fg),ラリュー(fl),アンドレ(tp)などのフランスの名手が参加し、音の厚みと
色彩がとても豊かな演奏です。偽作の第5番も併録されています。
推薦盤
disc3 : ミュンヒンガー/シュトゥットガルト室内管弦楽団
輸入盤LP 英DECCA SXL 2300/1 2LP 大デッカ溝ありED1
録音:1961年
*ドイツ的な骨組みでどっしりとした演奏。渋めの色調で古典的な香りに包まれています。
disc4 : コッホ/ベルリン室内管弦楽団
輸入盤LP 東独ETERNA 826568/9 2LP 黒ED
録音:1974年
disc5 : コッホ/ライプチッヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
輸入盤LP 東独ETERNA 820511/2 2LP V字
録音:1965年 MONO
disc6 : アーノンクール/ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
輸入盤LP 独TELEFUNKEN SAWT 9509/10 2LP箱
録音:1966年
disc7 : ゲーベル/ムジカ・アンティカ・ケルン
輸入盤LP 独ARCHIV 415672/3 2LP箱
録音:1982年 DIGITAL
今日の写真 : 春バラ 2017 #4 那須町 コピスガーデン 2017年6月撮影
グローテン・ドルスト
セプタード・アイル
ポール・ボキューズ
シェアリング・ア・ハピネス
マダム・ポール・マサド
by dindi_48
| 2017-06-17 15:34
| 管弦楽曲
|
Comments(4)
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Rook
at 2017-06-18 09:13
x
dindi_48 様
管弦楽組曲を取り上げて頂き嬉しく有り難うございます。
おっしゃる通り、ダントツの2番ロ短調と、3番エアの別仕立てである「G線上のアリア」が群を抜いていますね。2番はフルートをやる(やっていた)私には格別の思いがある曲です。管弦楽は伴奏でなく独奏フルートと対等に向き合い書かれており、これをフルート協奏曲と呼ばないのは見識だと思います。こう言う形態は他に多くなく、テレマンのイ短調組曲くらいでしょうか。
ですので、演奏の善し悪し(好き嫌い)は、管弦楽部分とフルート部分が共に好きなことが要件になろうかと思います。まず管弦楽部分ですが、最近の古楽演奏では、曲を誤解して、甚だしくは曲解しているものが多く、大変嘆かわしく思っています。今迄と違って演奏したい、最新の研究成果を反映したい、・・一体どのような了見でそうしているのか理解に苦しみます。演奏家の良心は一体何処に行ってしまったのかまで思わせられます。そのうち、今迄の演奏を色あせたと葬り、古楽演奏が標準になったら、世も末ではないかと危惧しています。disc7のゲーベル&MAKに始まり、Alexei Utkin, Hermitage Chamber Orchestra (Caro Mitis)、John Eliot Gardiner, English Baroque Soloists (Erato)、Penelope Evison, Clas Pehrsson, Drottningholm Court Baroque Ensemble (BIS)ともなるともう別な曲です。実を言うとdisc1マリナーにもその兆候は見え始めているのです。
私にはアクセントの多用が受け入れ難く苦痛なのです。それが小気味よいことにつながるのだとは思いますが、マリナーまでが私の許容限界です。 (コメントの文字制限で、次に続きます)
管弦楽組曲を取り上げて頂き嬉しく有り難うございます。
おっしゃる通り、ダントツの2番ロ短調と、3番エアの別仕立てである「G線上のアリア」が群を抜いていますね。2番はフルートをやる(やっていた)私には格別の思いがある曲です。管弦楽は伴奏でなく独奏フルートと対等に向き合い書かれており、これをフルート協奏曲と呼ばないのは見識だと思います。こう言う形態は他に多くなく、テレマンのイ短調組曲くらいでしょうか。
ですので、演奏の善し悪し(好き嫌い)は、管弦楽部分とフルート部分が共に好きなことが要件になろうかと思います。まず管弦楽部分ですが、最近の古楽演奏では、曲を誤解して、甚だしくは曲解しているものが多く、大変嘆かわしく思っています。今迄と違って演奏したい、最新の研究成果を反映したい、・・一体どのような了見でそうしているのか理解に苦しみます。演奏家の良心は一体何処に行ってしまったのかまで思わせられます。そのうち、今迄の演奏を色あせたと葬り、古楽演奏が標準になったら、世も末ではないかと危惧しています。disc7のゲーベル&MAKに始まり、Alexei Utkin, Hermitage Chamber Orchestra (Caro Mitis)、John Eliot Gardiner, English Baroque Soloists (Erato)、Penelope Evison, Clas Pehrsson, Drottningholm Court Baroque Ensemble (BIS)ともなるともう別な曲です。実を言うとdisc1マリナーにもその兆候は見え始めているのです。
私にはアクセントの多用が受け入れ難く苦痛なのです。それが小気味よいことにつながるのだとは思いますが、マリナーまでが私の許容限界です。 (コメントの文字制限で、次に続きます)
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Rook
at 2017-06-18 09:14
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(前のコメントの続きです)
2番の出だしは荘厳な序曲で始まるので、個人の持つイメージにより好き嫌いが分かれるでしょう。私の一番好きな演奏はdisc4のヘルムート・コッホ/ベルリン室内管弦楽団です。東独出身のコッホの朴訥な歌い口はこの曲の規範です。その次は、disc3のミュンヒンガーや、バウムガルトナー、ヴァルハル、続いてdisc2のパイヤール、同(1971, Rampal)が正統派だと思います。バッハには必ず登場するリヒターはやや劇的で、どちらかというとフルートのニコレを聴く盤だと思います。フルートでしたらゴールウェイ、パユ等の名手は隙がありません。ただフルートだけが突出していても管弦楽が良くなければこの曲はいけません。
尚、コッホ以前では、Hubert Barwahser (Fl), Eduard van Beinum/Concertogebouw Orchester Amsterdam (1956) が名演だと思います。
私の思いが時代遅れになっていることは充分あり得るでしょう。でも昔の荘厳な演奏が残っていてくれて本当に良かったと感謝しています。
朝露でしょうか、滴のしたたるバラの綺麗なこと。「セプタード・アイル」が私の最も気に入ったバラです。バラには意外なふくよかさが何ともゴージャスです。奥の蕾もしっかりしていて先を予感させます。
ありがとうございました。
2番の出だしは荘厳な序曲で始まるので、個人の持つイメージにより好き嫌いが分かれるでしょう。私の一番好きな演奏はdisc4のヘルムート・コッホ/ベルリン室内管弦楽団です。東独出身のコッホの朴訥な歌い口はこの曲の規範です。その次は、disc3のミュンヒンガーや、バウムガルトナー、ヴァルハル、続いてdisc2のパイヤール、同(1971, Rampal)が正統派だと思います。バッハには必ず登場するリヒターはやや劇的で、どちらかというとフルートのニコレを聴く盤だと思います。フルートでしたらゴールウェイ、パユ等の名手は隙がありません。ただフルートだけが突出していても管弦楽が良くなければこの曲はいけません。
尚、コッホ以前では、Hubert Barwahser (Fl), Eduard van Beinum/Concertogebouw Orchester Amsterdam (1956) が名演だと思います。
私の思いが時代遅れになっていることは充分あり得るでしょう。でも昔の荘厳な演奏が残っていてくれて本当に良かったと感謝しています。
朝露でしょうか、滴のしたたるバラの綺麗なこと。「セプタード・アイル」が私の最も気に入ったバラです。バラには意外なふくよかさが何ともゴージャスです。奥の蕾もしっかりしていて先を予感させます。
ありがとうございました。
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dindi_48 at 2017-06-18 16:48
Rookさま
コメントありがとうございました。そうでしたか、Rookさんはフルートを演奏されるのですね。道理で音楽にとても詳しいわけです。私は聴き方専門で、しかも自分の好きな曲ばかり聴いていますから音楽的な素養は全くありません。これからもいろいろ教えていただけると有り難いです。
ベイヌム盤は聴いたことがありませんが、ブログにも投稿したようにコッホ盤は新旧ともに聴いていて、どちらもとても安定感があり、落ち着いた良い演奏だと思っています。
私もバロック研究が進んだからと言って、奇をてらったような演奏はどうかと思いますが、たま気分転換に聴いてしまいます。でも音楽の安らぎや癒やしということから考えると、必ずしもこちらが主流になるとは、私には思えませんが・・。
コメントありがとうございました。そうでしたか、Rookさんはフルートを演奏されるのですね。道理で音楽にとても詳しいわけです。私は聴き方専門で、しかも自分の好きな曲ばかり聴いていますから音楽的な素養は全くありません。これからもいろいろ教えていただけると有り難いです。
ベイヌム盤は聴いたことがありませんが、ブログにも投稿したようにコッホ盤は新旧ともに聴いていて、どちらもとても安定感があり、落ち着いた良い演奏だと思っています。
私もバロック研究が進んだからと言って、奇をてらったような演奏はどうかと思いますが、たま気分転換に聴いてしまいます。でも音楽の安らぎや癒やしということから考えると、必ずしもこちらが主流になるとは、私には思えませんが・・。
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Rook
at 2017-06-18 20:15
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dindi_48 様
演奏するから音楽に詳しいと言う訳では必ずしもないと思います。
dindi_48さん同様に、音楽を聴いてきた経験の方が音楽を理解する助けになったような気がします。
好きな曲ばかり聴いていることは悪いことでなく返って自然ではないでしょうか。私も今は基本的にそうです。
聴いているうちに好きになる事もあるかと聴くことはありますが、段々年と共にその許容度が狭くなっているのも確かです。
素養がないなどとはご謙遜でしょう。立派な見識を持たれていますので卑下しないでくださいね。
ピリオド演奏の数は年々多くなり、もはや少数派ではなくなってきていることに大変な危機感を抱いています。
ピリオド演奏の狙いが何所にあるのかを、生理的に嫌いなことが手伝って、あまり追求する気持ちになれません。
冗談でしょ、と真面目に思うピリオド演奏も少なからずあります。
でも、ブリュッヘン、レオンハルト、アーノンクールはいまや古典的な演奏なのでしょうか?彼らは好きなのです。
こちらこそ、色々お教えいただきたく思います。
演奏するから音楽に詳しいと言う訳では必ずしもないと思います。
dindi_48さん同様に、音楽を聴いてきた経験の方が音楽を理解する助けになったような気がします。
好きな曲ばかり聴いていることは悪いことでなく返って自然ではないでしょうか。私も今は基本的にそうです。
聴いているうちに好きになる事もあるかと聴くことはありますが、段々年と共にその許容度が狭くなっているのも確かです。
素養がないなどとはご謙遜でしょう。立派な見識を持たれていますので卑下しないでくださいね。
ピリオド演奏の数は年々多くなり、もはや少数派ではなくなってきていることに大変な危機感を抱いています。
ピリオド演奏の狙いが何所にあるのかを、生理的に嫌いなことが手伝って、あまり追求する気持ちになれません。
冗談でしょ、と真面目に思うピリオド演奏も少なからずあります。
でも、ブリュッヘン、レオンハルト、アーノンクールはいまや古典的な演奏なのでしょうか?彼らは好きなのです。
こちらこそ、色々お教えいただきたく思います。