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just beside you Ⅱ

メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64

No.83 : 協奏曲


 メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は、ベートーヴェン、ブラームスの作品とともに、「三大ヴァイオリン協奏曲」として並び称される名曲中の名曲です。
その美しすぎるメロディのため、<深みが足りない>として敬遠される方もおられますが、見目麗しい佇まいは誰もが快く認める美しさです。美しい秋の景色を眺めながら、たまにはこの見目麗しいメロディに浸ってみるのも悪くはありません。
 さてこの曲の冒頭2小節のオーケストラによる序奏がすむと、すぐにあのとてつもなく美しく流麗な独奏ヴァイオリンが登場します。この瞬間「ゾクッ」と身震いがくるような美しさです。三楽章構成ですが、切れ目無くつなげて演奏されるので、作品自体のかたちやまとまりの良さにもなっていますね。



メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64_d0340028_10004541.jpg推薦盤
disc1 : クリスチャン・フェラス(vn)
     シルヴェストリ/フィルハーモニア管弦楽団

 併録曲:チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35
 輸入盤LP 英EMI ASD 278 白金輪ニッパー盤

 録音:1957年
 *録音時、 若干24歳というフェラスの瑞々しい感性と輝きをじっくりと楽しむことができる名演奏、名盤です。


メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64_d0340028_10011085.jpg推薦盤
disc2 : ヨハンナ・マルツィ(vn)
     サヴァリッシュ/フィルハーモニア管弦楽団

 併録曲:モーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第3番K.216
 輸入盤LP 英TESTAMENT SBTLP 1483

 録音:1954年 MONO
 *第1楽章冒頭の気迫に満ちた熱い音色は少し意外でしたが、しかし十分に魅力的!
  第2楽章の美しく清楚で気品のあるアンダンテも絶品です。


メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64_d0340028_10012416.jpg推薦盤
disc3 : アルテゥール・グリュミオー(vn)
     ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
 
 併録曲:チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35
 輸入盤LP 蘭PHILIPS 835055 AY パノラマHIFI

 録音:1960年
 *円熟期のグリュミオーが素晴らしいです。気品ある美音と安定した技巧で名曲が堪能できます。 


メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64_d0340028_10061742.jpgdisc4 : ナタン・ミルシュテイン(vn)
     アバド/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

 併録曲:チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35
 輸入盤LP 独DGG 2530359 ブルーライン盤

 録音:1973年 


メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64_d0340028_10065426.jpgdisc5 : アルテゥール・グリュミオー(vn)
     シューリヒト/フランス国立放送管弦楽団

 併録曲:シューマン/「マンフレッド」序曲Op.115
 国内盤LP 日Alltus ALTLP-054 Box3LP限定盤

 録音:1963年5月14日シャンゼリゼ劇場LIVE


メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64_d0340028_12471251.jpgdisc6 : アンネ=ゾフィー・ムター(vn)
     カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

 併録曲:ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲第1番Op.26
 輸入盤LP 独DGG 2560 077 ブルーライン盤

 録音:1981年







今日の写真 : 晩秋の会津路#3   喜多方市 2017年11月15日撮影


メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64_d0340028_10080373.jpg


新宮熊野神社の大イチョウ


樹齢800年以上、樹高37mという全国でも最大級のイチョウ。新宮熊野神社のご神木です。


メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64_d0340028_10081433.jpg



メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64_d0340028_10094964.jpg



メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64_d0340028_10271109.jpg
新宮熊野神社 長床



by dindi_48 | 2017-11-19 10:35 | 協奏曲 | Comments(6)
Commented by Rook at 2017-11-19 16:16 x
dindi_48 様

<深みがない>と言っても、クラシックを聴く人でこれを聴いたことのない人はいないに違いありません。耳たこ、今更、などと、クラシックファンからも超有名曲であるが故に逆に敬遠されがちな曲ですが、それは間違いです。これを正統に真正面から愛する純真さを忘れたらおしまいで、その傲慢さを恥じるべきでしょう。クラシックの聴き始めにこの曲を聴き感動した人は多いでしょう。「初心わするべからず」ですね。
私はグリュミオー&Jan Krenz: New Philharmonia Orchestra (1972)、シェリング&Bernard Hitink/Royal Concertgebouw Orchestra (1976)を良く聴いてきました。ライブラリを調べてみると意外と少ないので、私も上述の気があったようで自省しなくてはいけません。グリュミオーの推薦盤は1つ前の録音ですね。あまり聴き比べていないので、違いはよく承知していませんが、きっと素晴らしいでしょうね。ミルシティンもいいです。推薦トップのフェラスは聴いたことがありませんが、1968年のライブ盤を聴く限りはいいです。彼の結末は悲劇的で残念です。HMVを覗いてみると、コーガン、マゼール&ベルリン放送響 (1974)の評判が良いようです。試聴した限りでは、それも納得できます。私のライブラリの中から推薦するものとしては、

Maxim Vengerov, Kurt Masur/Gewandhausorchester Leipzig (1993)
Sayaka Shoji, Myung-Whun Chung/Orchestre Philharmonique de Radio France (2005)
Nicola Benedetti, James McMillan/Academy of St Martin-in-the-Fields (2006)
Arabella Steinbacher, Charles Dutoit/Orchestre de la Suisse Romande (2014)
Fumiaki Miura, Hannu Lintu/Deutsches Symphonie Orchester Berlin (2015)
<後半へ>
Commented by Rook at 2017-11-19 16:18 x
<前半の続き>
先回も申し上げましたが、ヴァイオリンの逸材は多く、将来名曲を引き継いでいく上での安心材料です。日本人の庄司紗矢香や三浦文彰も世界の中に入っても遜色なく、今後の成長を期待したい若手です。
ヴァイオリン協奏曲は、バッハ、ヴィヴァルディ、ハイドン(なかなか良い曲です)、モーツァルトもあるものの、根拠はありませんがなんとなくベートーベン以降が主流のような気がします。おっしゃる通り、ベートーベン、ブラームス、このメンデルスゾーン、それから、チャイコフスキー、ブルッフ、シベリウス、これで6大協奏曲、それからヴィオッティNo.22が私は大好きで、アッカルド盤を愛聴しています。

最後の新宮熊野神社長床、これはアートですね。写真の域を超えています。会津の秋も終わりに近づいていますね。これから寒い冬を迎えるのでしょう。風邪をお召しになりませんよう、どうぞご自愛ください。

ありがとうございました。
Commented by dindi_48 at 2017-11-19 19:43
Rookさん

まだこのブログではアップしていませんが、ハイドンやブルッフ、シベリウスのヴァイオリン協奏曲も確かに良いですね。私も好きです。アッカルドの演奏はデュトワとのパガニーニだけしか聴いてませんが、とても巧いですね。

日本人のヴァイオリニストでは、私は庄司紗矢香や諏訪内晶子、五嶋みどり、寺神戸亮などをよく聴きますが、若い方は超絶技巧もへっちゃらで、驚いてしまいます。
Commented by Rook at 2017-11-19 21:24 x
dindi_48 様

アッカルドのヴィオッティ:ヴァイオリン協奏曲第22番イ短調は、1962年録音のRCA盤で、カップリングはパガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調 Op.7です。
Salvatore Accardo, Elio Boncompagni/Rome Philhamonic Orchestra
HMVで販売されている、パガニーニ:24のカプリース Op.1がさらにカップリングされた2枚組CDと同じ音源です。
オーケストラは少々粗いものの、アッカルドが素晴らしいです。同じイタリアの作曲家なので、お家芸とでも言うべきかもしれません。ウィーン気質ならぬイタリア気質ですね。明るいメロディックな曲調が、イタリア気質というのでしょうか、22番という数からもわかるように、沢山書いているものの、この22番だけが突出しています。是非、一聴をお薦めします。でも、私は24のカプリースが大嫌いで、大昔パールマンを聴いて以来、半世紀近く聴いておりません。同じ超絶技巧でも、リストは尊敬してますが、パガニーニはヴァイオリニストにお任せしています。(笑)
五嶋みどりも大好きです。諏訪内さんは脱税報道以来、少し嫌になっています。では今日はこの辺で。おやすみなさい。
Commented by dindi_48 at 2017-11-20 19:47
Rookさん

アッカルドのヴィオッティ/ヴァイオリン協奏曲第22番のご紹介、ご推薦ありがとうございました。手元にはペーター・リバールの古い録音盤しかなくて、少し残念な思いをしていましたが、若きアッカルド盤を早速HMVで注文しようかと検索していました。
2013年発売なのに、現在は「お取り寄せ入荷日未定」となっていて、購入困難な状況のようですね。
アッカルド盤とは違うと思いますが、ステレオ録音で美しい旋律が聴きたいなと思い、「在庫あり」となっていたグリュミオー盤を注文してしまいました。
アッカルド盤は再発売でもされた時に、聴いてみたいと思います。ありがとうございました。
Commented by Rook at 2017-11-20 22:43 x
dindi_48 様

そうですか。私はグリュミオーのファンでもあり、グリュミオーの演奏も聴いています。
Arthur Grumiaux, Edo De Waart/Royal Cencertgebouw Orchestra Amsterdam (1969)
決してグリュミオーの演奏が悪いと言うではありませんが、アッカルドのイタリア人気質がこの曲の解釈に合っていると思います。
グリュミオーはナイーブで行儀が良すぎるのでそう思うのでしょう。もう少しおおらかで情熱的にやって欲しいという事なのかもしれません。あくまで好みの問題ですが・・。
アッカルド盤はCDならTower(お取り寄せなので当てになりません)、ダウンロードならiTunes storeで売っています。
アッカルドの演奏は、以下のYoutubeでお聴きになれます。高音質というわけにはいきませんが、元々録音がそれ程良い訳ではないので、感じはつかめると思います。
<https://www.youtube.com/watch?v=4e-WasVpEdk>

福島でも初雪だとニュースで言っていました。こちらも寒さが一段と厳しくなりました。
押しつけてしまったようで申し訳ありませんが、気に入ってもらえれば嬉しいです。
ありがとうございました。

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